設立の背景と目的
がん薬物療法は近年、経口抗がん薬や分子標的薬の登場により外来治療の比率が急速に高まっています。しかしながら、オンコロジー領域のトレーシングレポートに関しては、様々な課題が存在しています。
当会が認識している現状の課題
オンコロジー領域のトレーシングレポートを取り巻く環境には、多くの課題が存在します。病院間でのトレーシングレポートの質や活用方法に大きな格差があり、同様に調剤薬局間でも取り組みに差があります。特に都市部の門前薬局と地方の調剤薬局では、がん患者への対応経験に大きな差が生じています。調剤薬局では、抗がん剤の処方箋を受け付ける機会があっても、1日に1〜2名程度であることが多く、病院薬剤師と比較して経験則が蓄積しにくいという現状があります。また、日々異なる処方内容に対応する必要があり、専門性を高めることが難しい環境にあります。さらに、トレーシングレポートを作成しても、病院薬剤師や医師からのフィードバックが得られないことが大きな問題となっています。フィードバックがなければ、自分の作成したレポートが適切であるかの判断基準がなく、何が重要で何を記載すべきかの指針が得られません。大都市の門前薬局では比較的充実した服薬指導が行われていますが、地方都市の小規模な薬局では、オンコロジー領域の専門的知識を持つ薬剤師が少なく、患者が受けられる情報やケアに地域差が生じています。
設立目的
このような課題認識を踏まえ、当研究会は以下の目的で個人の薬剤師により設立されました。(サイト運営は薬剤師サポートに一任)
1. トレーシングレポートの標準化と質の向上
オンコロジー領域におけるトレーシングレポートの標準様式を提案し、記載すべき内容や優先度の高い情報を明確化することで、薬剤師の負担軽減と報告内容の充実を図ります。
2. 地域格差の解消
オンラインでの学習環境を提供することで、地域を問わず全ての薬剤師が質の高い情報にアクセスできる環境を整備し、地域による医療格差の解消に貢献します。
3. 実務経験者からのアドバイスの共有
実際の臨床現場で豊富な経験を持つ薬剤師のアドバイスを動画コンテンツを通じて共有し、経験不足を補う機会を提供します。
4. 効率的な業務プロセスの確立
適切なトレーシングレポートの作成方法を学ぶことで、無駄な作業時間を削減し、より患者ケアに注力できる環境を整備します。
5. フィードバックに基づく学習機会の創出
実務経験者からのフィードバックに基づく学習機会を提供することで、心理的な迷いを小さくしてレポートを書きやすく、時間的にも適切な情報収集・整理の方法を学ぶことで短縮できて、質的にも向上したトレーシングレポートの作成を支援します。
当研究会は、これらの目的を達成するために、いつでもどこでも学べるオンライン教育システムを通じて、オンコロジー領域のトレーシングレポートに関する知識と技術の向上を支援し、最終的にはがん患者さんのQOL向上と薬物療法の安全性・有効性の向上に貢献することを目指しています。特に地方都市や小規模薬局の薬剤師が抱える情報格差や経験不足の課題を解消し、全国どこでも標準的な質のトレーシングレポートが作成できる環境づくりに取り組んでまいります。
課題解決のための当研究会の取り組み
1. オンライン学習に特化した研究会
当研究会は、地理的制約や時間的制約を超えて学習できるよう、完全オンラインでの活動を行います。薬剤師の皆様は、いつでもどこでも、ご自身のペースで学習することができます。対面での研究会にありがちな「参加したくても参加できない」という問題を解消し、全国どこにいても同じ質の教育を受けることが可能です。
2. 実践的なトレーシングレポート作成能力の養成
当研究会では、オンコロジー領域の薬物療法に携わる専門薬剤師による解説動画を通じて、実践的なトレーシングレポート作成能力を養成します。疑似症例を用いた演習や、実際の臨床現場で役立つポイント解説など、明日から使える知識とスキルを提供します。
3. 標準化されたトレーシングレポート様式の提案
オンコロジー領域におけるトレーシングレポートの標準様式を提案し、全国の医療機関で活用できるテンプレートを提供予定です。これにより、薬剤師間の情報共有が円滑になり、患者さんに対するケアの質の向上につながります。
4. 実務経験者(エキスパート)からのフィードバック
当研究会の動画コンテンツには、以下のような実務経験を持つエキスパート薬剤師からのアドバイスが含まれています。
- がん領域の認定薬剤師(がん専門薬剤師、がん薬物療法認定薬剤師、またはそれに準ずる資格)として活動している薬剤師
- 年間2000回以上のがん患者に対して服薬指導・薬剤師外来を行っている薬剤師
- トレーシングレポートを年間30件以上確認している実績がある薬剤師
これらの実務経験の条件を全て満たした薬剤師をエキスパート薬剤師と定義し、実務経験やエビデンスベースを基にフィードバックが確認出来る為、現場で役立つ知識を共有することができます。
活動内容
オンライン教育プラットフォーム
当研究会のウェブサイトでは、以下のようなコンテンツを提供しています。
- 基礎知識編:トレーシングレポートの目的、意義、基本的な書き方などを解説
- エクセル形式によるデータ共有:各薬剤の代謝特性や食事の影響、減量基準と臨床的なポイントを解説したエクセルファイル(パスワード設定と閲覧期限の設定あり)
入会のご案内
当研究会は、オンコロジー領域のトレーシングレポートの標準化と薬剤師の知識・スキル向上を目指す薬剤師であれば、どなたでも入会いただけます。
入会方法
- 当ウェブサイトの「入会申込」フォームからお申し込みください
- 登録確認メールに記載されている手順に従ってお支払いを完了させてください
- お支払い確認後、会員専用ページへのアクセス情報をお送りします
お問い合わせ
当研究会に関するサイト上の運営に関しては以下の方法でお問い合わせをお願いいたします。
- Eメール:info@oncology-tracing-report.○○○
- お問い合わせフォーム:当ウェブサイトの「お問い合わせ」ページから
※運営・管理は薬剤師サポート株式会社の全面協力のもと、世話人の先生方が中心となって行っております。
オンコロジー領域のトレーシングレポート研究会会則
2025.05.06
第一条 名称
本会は「オンコロジー領域のトレーシングレポート研究会」と称する。
第二条 目的
本会はがん薬物療法におけるトレーシングレポートの活用による患者のQOL向上及び薬物療法の安全性・有効性の向上を達成するために、全国の医療機関、薬局、訪問薬剤管理指導事業所等の薬剤師及び関係者を対象に、研究と情報のネットワーク化を図ることを目的とする。
第三条 企画・運営
本会は前条の目的を達成するため、以下の企画・運営をオンラインで行う。
1)オンコロジー領域におけるトレーシングレポートの標準化に関する研究
2)トレーシングレポートを用いた薬薬連携の推進
3)その他、本会の目的を達成するために必要な事業
第四条 会員
本会の主旨に賛同する薬剤師及び薬剤師に関連する団体をもって会員とする。
第五条 役員
本会に次の役員を置く。
代表世話人(1名) 世話人の内より1名選出され、本会を代表する。
顧問(若干名) 世話人にて選出されて本会のアドバイザー役をする。
世話人(若干名) オンコロジー領域の薬物療法に関わる薬剤師及び医療関係者の中から委嘱する。
なお、役員の選出、脱会については、代表世話人または、世話人の協議(世話人会)により決定する。世話人会は代表世話人が必要に応じて招集する。
第六条 動画コンテンツ作成者(実務経験者)の資格
1)本会の動画コンテンツを作成・解説する薬剤師は、以下の資格要件を満たさなければならない。
a) がん領域の認定薬剤師(がん専門薬剤師、がん薬物療法認定薬剤師、またはそれに準ずる資格)であること
b) 年間120名以上のがん患者に対して服薬指導を現役で行っている薬剤師であること
c) トレーシングレポートを年間10件以上確認している実績があること
d) 代表世話人が特に認めた者
2)上記資格要件は、定期的に見直しを行い、必要に応じて世話人会の承認を経て変更することができる。
第七条 運営と費用
1)本会の活動はホームページや動画配信サイトを通じて行われる。
2)ホームページ及び動画配信サイトの構築・維持管理は薬剤師サポート株式会社に全て委託する。
3)当会のホームページの維持、動画サイトの維持の為の費用が必要となります。これらは薬剤師サポート株式会社の運営において維持されています。
4)本会の代表世話人は、薬剤師サポート株式会社と協力して、コンテンツの質の確保と適切な運営に努める。
5)薬剤師の入会費は初年度は税込5,000円とし、2年目以降はパスワード、ID設定がないため、税込4,000円となる。ただし、一度退会すると再度入会する場合は税込5,000円に戻る。※特別価格設定等を設ける場合がある。
第八条 倫理規定
1)本会の活動において、会員は以下の倫理規定を遵守しなければならない。
a) 研究発表等においては、必ず疑似症例を使用することとし、実在の患者情報を使用してはならない。
b) 疑似症例作成にあたっては、特定の患者を想起させる特徴的な情報を含めないよう配慮する。
c) トレーシングレポートの作成・活用において、患者および関係者の人権と尊厳を尊重する。
d) 研究会活動を通じて知り得た情報の取り扱いには十分配慮し、不適切な利用や漏洩を行わない。
e) 疑似症例であっても、医学的・薬学的に妥当性のある内容とし、誤解を招くような不適切な症例設定を行わない。
2)疑似症例を使用した発表資料等には、「本発表で使用している症例は疑似症例であり、実在の患者に基づくものではありません」という旨の明示は行わない。
第九条 知的財産権
1)本会の活動において発表された研究内容、開発されたトレーシングレポート様式、作成されたガイドラインや資料等の知的財産権については、以下のように取り扱う。
a) 本会の名称、ロゴマーク等の使用については、世話人会の承認を必要とする。
b) 会員が本会での活動に関連して特許等の産業財産権を取得しようとする場合は、事前に世話人会に報告しなければならない。
2)本条の運用に関して疑義が生じた場合は、世話人会において協議の上、決定する。
第十条 免責事項
1)本会の活動において提供される情報(研究発表、トレーシングレポート様式、講演、動画等)は、作成時点でのデータや知見に基づくものであり、医療や薬物療法の進歩により変更される可能性がある。
2)本会の提供する情報を実際の患者に適応する場合は、最新の添付文書、ガイドライン、および各施設の方針等を参照し、医療従事者の責任において判断すること。
3)本会の提供する動画や資料等の情報を利用したことにより生じた不利益や損害について、本会および発表者は一切の責任を負わないものとし、利用者の自己責任となる。
4)本会の活動内容は、医療従事者向けの教育・研究を目的としたものであり、一般の方々による医療判断の根拠として使用することを想定していない。
第十一条 会則の改正
本会の会則の改正は代表世話人及び世話人の協議により行う。
第十二条 倫理規定
1)本会の活動において、会員は以下の倫理規定を遵守しなければならない。
a) 研究発表等においては、必ず疑似症例を使用することとし、実在の患者情報を使用してはならない。
b) 疑似症例作成にあたっては、特定の患者を想起させる特徴的な情報を含めないよう配慮する。
c) 研究発表に関しては、利益相反(COI)の有無を明示する。
d) トレーシングレポートの作成・活用において、患者および関係者の人権と尊厳を尊重する。
e) 企業等からの資金提供や物品供与を受ける場合は、透明性を確保し適切に開示する。
f) 研究会活動を通じて知り得た情報の取り扱いには十分配慮し、不適切な利用や漏洩を行わない。
g) 疑似症例であっても、医学的・薬学的に妥当性のある内容とし、誤解を招くような不適切な症例設定を行わない。
2)疑似症例を使用した発表資料等には、「本発表で使用している症例は疑似症例であり、実在の患者に基づくものではありません」という旨の明示を行うこととする。
第十三条 知的財産権
1)本会の活動において発表された研究内容、開発されたトレーシングレポート様式、作成されたガイドラインや資料等の知的財産権については、以下のように取り扱う。
a) 本会の名称、ロゴマーク等の使用については、世話人会の承認を必要とする。
b) 会員が本会での活動に関連して特許等の産業財産権を取得しようとする場合は、事前に世話人会に報告しなければならない。
2)本条の運用に関して疑義が生じた場合は、世話人会において協議の上、決定する。
第十四条 免責事項
1)本会の活動において提供される情報(研究発表、トレーシングレポート様式、講演、動画等)は、作成時点でのデータや知見に基づくものであり、医療や薬物療法の進歩により変更される可能性がある。
2)本会の提供する情報を実際の患者に適応する場合は、最新の添付文書、ガイドライン、および各施設の方針等を参照し、医療従事者の責任において判断すること。
3)本会の提供する動画や資料等の情報を利用したことにより生じた不利益や損害について、本会および発表者は一切の責任を負わないものとし、利用者の自己責任となる。
4)本会の活動内容は、医療従事者向けの教育・研究を目的としたものであり、一般の方々による医療判断の根拠として使用することを想定していない。
第十五条 付則
本会則は2025年5月6日より実施する。